悪夢。それは中世において眠る人を苦しめる悪魔をさす。
この映画は、悪夢に悩まされ続けてきた男女8人の、その悪夢のドキュメンタリー。
彼らがみる夢。
体の中で異様な鼓動がして様々な色のレーザーが自分に向かってきて、体が動かなかったり、
何者かの気配、叫び声、語りかける声、黒いはっきりとした影。
意識があっても体の動かない金縛り状態で、
それが毎晩、週に一度、時に忘れたころにやってくる。
誰に言っても信じてもらえない。
本当に起こったと思うような事でも、ただの悪夢として決めつけられる絶望感。
睡眠障害、強迫観念や、悪魔・死神的信仰、宇宙人への恐怖が原因なのかと思いきや、どうやらそうではなさそう。
簡単な言葉では言い表すことの出来ない、本当の悪夢が現実と近い人々の証言なので、なんだか怖い。
そして、全く関係ない8人なのに、見る悪夢に類似点が多数見られるのだ…
謎の黒い影など…
そして、その類似点は世界各国で、遥か昔から逸話や伝承や絵画として表現されているのだ。
と、その謎に迫っていくんだけど、
正直、この映画自体がそれほどおもしろいわけではないし、完璧ではない。
ドキュメンタリーと言っても、見る悪夢は再現VTRだし(笑) あ、それはそれで面白いんだけどね
しかし、「金縛りと悪夢」を題材にしたノンフィクションホラーとしては、意欲作であります。
そして、私たちも何度か見た事があると思う。
現実だとおもっていたら夢だったり、
恐ろしい恐怖の金縛りにあったり、
寝ているのに感覚がやけに鋭かったり、音が聴こえたり……
誰しも経験したことのあるそれの、何倍もの恐怖を、彼らは毎晩見ている…
それを想像するだけで恐ろしくかわいそうになってくるのです。
それを考えさせてくれる映画であります。
そして、出てくる実体験者が本当に正常な精神であるのかどうなのか、それは見た人が判断する面白さがあると思うのです。
また、彼らの悪夢が、映画の表現描写と似ているのが興味深かったです。
『エルム街の悪夢』、『ジェイコブス・ラダー』、『インシディアス』、『ナチュラルボーンキラーズ』など。映画を見て、自分と同じだと驚いたそうだ。
映画としてはそれほどだけれど、イマジネーションを掻き立てられるものでありました。
あなたが毎晩、金縛りにあって、同じ黒い影が周りにみえたらどうする?? いつも、このまま死ぬのではないかと、寝る度に思ったらどうする? 夢なのか現実なのかわからない時間が続いたらどうする?? そんな気持ちになる映画。