間々田陽紀

彼女が目覚めるその日までの間々田陽紀のネタバレレビュー・内容・結末

彼女が目覚めるその日まで(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

※この映画は最終的に原作にこだわりすぎたように思われました。恐らく原作でもスザンナの病気の体験談が多くて、どうしても本人は周囲の人達に迷惑をかけてしまったからか周囲の人達の人間模様が中途半端にしか描かれていないように思われました。

※全体的な映画の時間も89分と短く、スザンナの病状を描き出すシーンに時間をかけ過ぎで、もっと周囲のスティーヴンや両親、離婚した父親などの心の葛藤や実際の行動などを丁寧に描いたほうが良かったように思われました。

※台詞としてはスティーヴンがスザンナの瞳が閉じ込められていると語っていると言ったシーンとスザンナの父親が必死に看病してくれているスティーヴンに名前で呼んでくれと言って肩を抱くシーンが素敵でした。

※《目覚めぬ娘を信じ続けた両親、絶対にあきらめないと誓った恋人、彼らに突き動かされた医師たち──愛から生まれた希望と勇気の強さと美しさを描く感動の実話》と配給会社はコメントしていますが、映画は結果としてそのテーマには寄り添うことができず、ひたすら《病気に犯されることの恐怖》を描き出した作品となっているように思われました。

※事実としてスザンナはスティーヴンと結婚しているので、もっと2人の風景を描いたほうがそれこそ邦題通りの作品に仕上がったと思われました。
間々田陽紀

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