似太郎

サリヴァンの旅の似太郎のレビュー・感想・評価

サリヴァンの旅(1941年製作の映画)
4.7
【THE SMILE😄】

ビリー・ワイルダーの先輩とも言うべき存在、プレストン・スタージェス監督作品。監督と脚本両方こなす才人。

本作は主演のジョエル・マクリーが演じる世間知らずな金持ち監督ジョン・サリヴァンが「シリアスな社会派映画」を作る為自ら旅に出るロード・ムービーであり、失われたアメリカ紀行。

金髪の美女ヴェロニカ・レイクが『ロジャーラビット』に出てくるジェシカ・ラビットのような記号的な振る舞いを見せる。まるで漫画のような世界。

本作では如何にサリヴァンがシリアスな社会派監督からコメディ監督へ転身したかをペーソス溢れる世界観で構築したもので、その脚本のアイデアはなかなか独創的なモノを感じる。

スタージェス監督は暗い世の中になればなるほど人間は【笑い】を求めるという「真理」を本作で見出したのかも知れない。暗くなって深刻ぶるよりこの際ワハハと笑っていた方が精神衛生上良いのだと思う。その気持ち、よ〜〜く分かるぜ。

コーエン兄弟の『オー・ブラザー!』は本作の監督サリヴァンによるオリジナル脚本だった!?という点も要チェック。🫱
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