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女番長ゲリラのろくのレビュー・感想・評価

女番長ゲリラ(1972年製作の映画)
2.5
温泉すっぽん芸者杉本美樹と猪鹿お蝶池玲子の東映2大看板女優が主演とこれはきっと面白い作品に違いないと思って見るも豈はからんや、ポンコツ風味が止まらない1作。

まあ鈴木ソクブンのとってつけた演出がもうどれも酷くて酷くて腹がよじれるようだよ。絶対その場で脚本書いているからな。

冒頭いきなりヘルメットをかぶった女番長が安全運転でバイクを駆りだす。番長でもスピード違反はダメ絶対。

京都に来た番長(杉本)は地元番長グループとひと悶着。なぜかヤクザのようにお控えなすって。あとはあたしは番長だと言って胸の刺青を見せる。ヌードシーン始まると思ったらすぐ服を着なおす。ここらへんは池野めだかイズム。

番長グループは田中小実昌とセックスしたり岡八郎とセックスしたり、京唄子に乗りこまれたりとおなじみコメディパートを経て地元のボクシングの興行主VSヤクザの争いに巻き込まれる。ご都合主義。当然のようにボクシングやっている若者は杉本とセックス。基本セックスで話が進む。

そのあとなぜか番長グループは伊豆へ。「どこにいくのさ」「西伊豆温泉桂川シーサイドホテルさ」漂うステマ臭。ホテルの名前を一字一句間違えない杉本。ここでも若者とセックス。海辺には裸の杉本。せめて部屋でしなさいとつい老婆心ながら思ってしまう。

その後、当然のようにボクシングやっている若者は殺される。まあ殺されないと話進まないからね。キレる杉本。まずは裏切り者にリンチだぜ。裏切った仲間をロープでバイクに結び引きずり回す杉本。引きずり回している間は誰が見ても人形。どうやって見ても人形。微動だにしない人形。ドリフのコントでないかと目を疑う。

最後は行き当たりばったりで敵のヤクザを爆殺だ。爆破すればいいんだろ、とでもいいたげなソクブン演出。ただし爆発は遠くからのアングルでね。近くで見ると火薬が少ないことがばれるから。

池玲子は基本何もしていない。していたことと言えばパンイチになっていたことくらい。見せ場は全くないんだけどこれで満足なのかしらん。

特別出演としてあがた森魚。笑ってしまうほど大根な演技でほかの演者が上手いように錯覚させるソクブン演出。1本の映画に一人大根がいればその映画は引き立つのだ。

ということでソクブンの大外れ演出がさえる一作。ちなみにこのシリーズ全7作もあるらしい。追う必要はあるのだろうか。いやない(反語)。
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