田中充宏

僕がいない場所の田中充宏のネタバレレビュー・内容・結末

僕がいない場所(2005年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

『名前は僕』

見終わった後、不思議な気分になった。 ホームレス少年が壊れた船に住みつき、興味本意で近づいてきた向かいの家の少女と仲良くなるシチュエーションは日本ではあり得ない。

少女は裕福な家庭だが、酒を飲んで「自分が嫌いだ」と言う。 ホームレス少年は、母親から見捨てられ「死にたい」と言う。 お互いが悲しみを抱えており、慰めあう。

ある日、とうとう通報され少年は保護される。名前を聞かれるがなかなか答えない。最後に名前を「僕」と言ったのは母親から見捨てられたからかもしれない。「僕のいない場所」とは「どこにも僕の居場所がない」という意味だと思った。
田中充宏

田中充宏