稀

ちはやふる 上の句の稀のレビュー・感想・評価

ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)
2.0
展開や演出を優先することで登場人物の魅力が損なわれている。本人が望んでいないあだ名(肉まん、机くん)を呼び続けたり、弱い仲間を強い敵にぶつける戦略を否定しなかったり、「すみません」と謝ってるのに「ごめんなさい」を強要する噛ませ犬がいたり、漫画におけるキャラ立てをそのまま実写でやって悪目立ちしている。
弱小にもかかわらず初参加の大会で着物で挑むのは遊びに来ているように見える。周りはみんな動きやすそうなTシャツ。負け続けの机くんの成長シーンがあるが、それ決勝戦でやること? 神様に見放されたと思っている主人公が実力で勝ちを狙う流れは良かったが、相手のお手つきで勝敗を決したのはカタルシスがない。強い気持ちが相手のミスを誘ったってことかもしれないけど、作中でカルタの魅力を表現できていないから、サッカーのオウンゴールを見せられたような気分。クライマックスでカルタに安直なCG乗っけるな。
メインストーリーが三角関係なのに恋のライバルが遠方で不在なのでずっと一人で相撲とってる。主人公がヒロインに惹かれる理由もわからず、幼馴染という設定に甘えている。まあ、広瀬すずだからか仕方がないか。昔メガネを盗んだことをライバルに打ち明けてから恋の宣戦布告をするが、そこは「ごめんなさい」やろがい!
稀