タクシー運転手というアプローチ自体は面白く正しく鋭いもので現実や生活が見事に切り取られているとは思うが、正直なところ展開としての面白みには欠けたのは事実。しかし最後のやり取りは本当に素晴らしかった。
「現実を撮りなさいと言っといて本当の現実や暗くて嫌な現実は見せちゃダメって私には違いが全然分からない。本当とか本当じゃないとかって何?さっぱりだわ」
「見せたくないことしてるのは自分たちなのに何それわかんない」
フィクションと現実と権力の関係に関してあまりに真っ当だ。
権力に媚びて強者になったつもりでいる映画人たち、フィクションは現実に根差しているのだと認められない(都合よく切り分ける)オタクたち、大丈夫???