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サクロモンテの丘 ロマの洞窟フラメンコのSのレビュー・感想・評価

3.6
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フラメンコの聖地、サクロモンテ。
洞窟暮らしのロマたちの貧しい生活を支えたのは、歌と踊り。国王やスターも観たという“サンブラ”の黄金期を支えたスターたちの生き様に迫る。
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まったく事前勉強しないまま見たから、
“軽い気持ちでサクロモンテの観光ツアーに参加して
何かすごいもの見せて貰ったけどよくわからんかった”
みたいな気持ちになった。

「めちゃくちゃ情熱的にサクロモンテとフラメンコの歴史を語ってくれるツアーガイドさんだけど、
色んな用語とか前提になるものを知らないからあんまり理解できない。けど話を遮る事も出来ないし、
何かその土地のすごい人も知り合いだとかで紹介してくれるけど、でもその人がどうすごいか分からない。
途中、自分語りとか結婚観とか人種差別についても出てきたし
でも、タブラオでショーも見られたし、まぁ良かった、1日貴重な体験したなー!」
という感じの作品でした。
作品の公式ページくらい読んでから見ればよかった。

作中で案内役の方は、フラメンコ界のスターのようです。

でも、つくづく「生きるために踊る」「生きるために歌う」を本当に体現してるんだなと思った。
フラメンコは魂であり生き方なんだなー。

「踊る以外は踊ってた」とか
水害で洞窟が壊滅して、人々が散り散りになってしまった時も「歌うことが悲劇を生きるコツだった」とか
「歌詞は仕事、悲しみ、愛から生み出された。あとは食べ物の歌も。常に空腹だったから」
「ケンカ中でも、料理をしていても、呼ばれると踊りに行った」
「男の子が生まれたらまずギターを買い与える」
生活そのもので、表面的に継承できるものじゃないことがよく分かった。

それでも水害がきっかけで衰退してしまったサクロモンテの文化。
歌曲集を作って形に残すことで伝承したり、外に出てツアーを行ったり、文化が愛され守られようとしているのは希望があった。
タブラオ行って、本物みてみたい。
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