家で娘と。
ほのぼのとした絵柄、
ほのぼのとした性格の主人公。
そこにのんこと能年玲奈さんの声は、
私はなかなか合っていたと思いました。
声高な主張や声明はなし。
悲惨な場面がこれでもかと続く訳ではない。
物のない、人がいなくなることが普通なあの時代にも、
普通の人びとが、
それぞれの青春、喜び悲しみを感じながら生きていた。
そこに当たり前のように、
戦争という暴力が侵食してくる。
絵の上手な、少しメルヘンな主人公に
とっても心が寄せられていきます。
でも、否応なしに、残酷な現実とも、
向き合わねばならない日々。
ああ、何も考えん、ぼーっとした
うちのまま 死にたかったなあ!
火垂るの墓は、名作ですし、
一度は観ておかないといけない作品と思いますが、
辛すぎてもう一度見るのは私はつらいです。
これは、現実を描いてはいますが、
主人公の人柄や絵のタッチが和らげてくれ、
広島も少し離れた場所から描かれており、
もう少しやわらかく見ることができます。
当時の暮らしや風俗も伝わってくる、
とても素晴らしい作品だと思いました。