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L.I.E.のkazataのレビュー・感想・評価

L.I.E.(2001年製作の映画)
4.5
少年時代のポール・ダノが主演の“comming of age”映画。
(本作自体はすでに数年前に見ていたのだけれども、監督デビュー作『ワイルドライフ』とともに便乗レビュー)

母を失い、父との関係も微妙で、不良親友への恋愛感情の芽生えに気づいて戸惑う日々を過ごしている主人公少年(ポール・ダノ)が、不良親友のせいでトラブルに巻き込まれてしまうわ、いろいろあって父も親友も失っちゃってもう大変……な物語。
そしてラストはけっこう切なめ。

ドン底まで堕ちた主人公が、近所に住むヤバいショタコン爺のところに行って肉体関係を迫る展開……と書きながら「倫理的にいろいろアウトだろ!」って思うけど、こんな役をさらっとやってのけちゃう少年ポール・ダノの行く末恐ろし……(その後の活躍は言わずもがな…)なんで一見の価値ありだと思います。

その後の展開含めて、決して嫌悪感が爆発するような感じの映画にはなっていないのでご安心を!
(むしろ"優しい"映画です)


本作のDVDには英語字幕がなく、自分の拙い英語力なんかじゃ全てを理解することはできていないんだけれども、、、そのおかげもあってか、本作にとっての大事なテーマは"不確かさ"(曖昧さ)にこそある!と気づくことができたかな。
(主人公と父・親友・ショタコン爺との関係性はある意味で"不確かなもの"だった…)

そうか、
"不確かなものだった世界を確かなものにしていく"っていうことこそがまさに“comming of age”だよね、と再認識。
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