爆裂BOX

ザ・テロリスト 合衆国陥落の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.5
アメリカ史上最悪の無差別大量殺人を犯し姿を消していたビルがTV局のビルに現れた。彼は局員を人質に取り、TVを通して自らの主張を全世界に発信しようとする…というストーリー。
ウーヴェ・ボル監督の最高作にして問題作の「ザ・テロリスト」の第二弾。主演も前作に引き続いてブレンダン・フレッチャーで、今回は脚本にも参加してます。
全米史上最悪の無差別大量殺人を犯し姿を消したビル。過激派や反政府主義者からは英雄と祭り上げられていた。そんな彼が三年ぶりに姿を現し、TV局に立て籠もり自らのメッセージを正解中に発信しようとするという内容です。
サブタイトルに「合衆国陥落」とついていてジャケットでもホワイトハウス燃え上がってますが、舞台となるのはTV局のスタジオ一室でスケールは小さ目です。
前作の様なGTAかポスタルの実写版の様な町中での無差別大量殺戮期待すると期待外れになるかもしれません。序盤のアウトドアチェアに座って通りすがる人を次々射殺する所や、TV局に乱入して逃げ惑う局員を次々殺していく所は前作のような感じ受けますが、そこからはビルが人質にした局員や、DVDの映像で視聴者に向けて自らの主張を喋り捲るメッセージ性強めの内容になっています。
言ってる事には結構共感できる所あるんですが、「金持ち殺せ!」と言いつつ銃で脅して無抵抗な人間イジメたり容赦なく射殺していくので言ってる事とやってること違くない?とは思ってしまいますね。どんな犯歴や病歴があるかもわからない人間に簡単に銃売るせいで銃犯罪多発するという主張はつい最近日本でも起きた事件のこと考えると頷ける所あるんですよね。サラリと前作の犯行正当化するのにも使ってたけど。ただ、流石に主張喋るシーン長すぎ&多すぎてちょっとダレる所もありますね。後、流石にお母さん死んだ事聞かされたらちょっと動揺してたな。
ヨガ講師?の女性にヨガのポーズやらせながらさんざん言葉で嬲って射殺する所や、前作のチキン店の態度悪い女店員の妹を男性スタッフに殴らせる所は不快感高めで良かったですね。
ロックリン・マンロー演じる鼻持ちならない感じの有名キャスターが、ビルから渡されたDVD持って走ってる途中で何もない所ですっ転んでDVD割る所は笑ってしまいました(笑)ウーヴェ・ボル監督自身も視聴率うなぎ上りになって喜ぶプロデューサー役で出演しています。
事前に仕込んだカメラで警察の動向を監視したり、突入しようとしたSWAT部隊を小型爆弾で次々葬ったりと相変わらず用意周到に計画立てて実行していますね。
クライマックスの突入してきたSWATとの銃撃戦や、TV局大爆発は見応えありました。今回もちゃっかり逃げ延びてます
序盤のホームレスや最後の少年?少女?に銃渡したり、他人にも犯罪侵させようと誘導する所は結構怖いですね。
前作と比べると殺戮ぶりやスケールはダウンした感じですが、この監督作ではこれも良い方だと思います。