かえるのエリー

ウォント・バック・ダウン ママたちの学校戦争のかえるのエリーのレビュー・感想・評価

3.9
日本では劇場公開されなかった本作、オスカー・アイザック目当てで鑑賞。すると主演2人の熱演が観られて得した気分。

ジェイミー(マギー)は娘マリアの識字障害を放ったらかす小学校に悶々としていた。そんな折、ペアレントトリガー法が制定され、学校に変化をもたらせると感じたジェイミーは、教師で、やはり子供の障害に悩んでいるノーナ(ヴィオラ)を取り込んで改革を起こすべく動き出す。


以下ネタバレ感想


実話ではないものの、実際にペアレントトリガー法によって起きた運動を元に本作が作られたらしい。実際の起こったことと同様に、どの立場から問題を見るかで捉え方は大きく異なる。これはアメリカに限らず日本でも言えることで、教育は当然大事だ、しかし教師の長時間労働が問題となった現代において、組合の言い分はわからなくもない。ちなみに我が娘の学校からは教師の長時間労働是正のためか、負担を減らすべく保護者へのお願い事のプリントが配られることも。

が、本作の小学校は酷い。生徒の大半が算数もろくに習得せず、識字障害を抱えた子はそのまま卒業し、大学進学率は2%、むしろ刑務所行きの方が多いという。最初は組合に逆らって職を失うことを恐れるノーナだが、徐々に変革を受け入れる覚悟を決め、皆の前でスピーチする姿には目頭が熱くなった。

ウクレレを弾きながら美声を聴かせるオスカーは美味しかったが、何より主演2人が良き。マギーは元々好きな女優で、相変わらず上手いと感じた。そしてヴィオラ・・・、なんと!先日観た「マ・レイニーのブラックボトム」で太々しさ200%だったマーと同一人物とは思えず、(振り返ると彼女の出演作は意外と観ていたものの)これまた素敵な女優を見つけてしまったと嬉しく思うのであった。