ぽんぽこ

氷の花火 山口小夜子のぽんぽこのレビュー・感想・評価

氷の花火 山口小夜子(2015年製作の映画)
3.5
資生堂のCMのDVDを持っています。
映画をみるにあたり、久々に観てきました。
年代ごとに白黒時代から平成にかけてまであるのですが、山口小夜子さんは異彩を放っていました。

亡くなってから制作した映画で山口小夜子さんの遺品をお借りして、大量の衣服、装飾物、絵画、本、ビデオなどを並べて軌跡を辿るといった形の映画でした。
私の今までのイメージでは、涼しげな目元の印象もあり、クールでよそよそよしい方なのかと思っていましたが、ごく親しいモデル友達に長電話して「なんか、面白い話ししてよ。」なんて言う気さくな所もあったりして、意外でした。
先のモデルの方が、休みの日は本を読んだり芝居を観に行ったりして勉強してたみたいな事をおっしゃっていたので、それがのちのち、年齢を重ねてランウェイを歩かなくなった時にも、自分が興味を持った事に突き進んで新たな仕事に繋がっていたのかなと思います。

若い時に知り合った仕事関係の人、晩年近くに自分よりずいぶん若い仕事で知り合った人、それぞれの人が知っている山口小夜子さんの人物像…。

ラストの彼女のインタビューが印象的でした。
〝モデルの基本は歩く事…〟
常に前進して、新しい自分に出会う為に歩き続けていた様で素敵でした。

資生堂は、いっとき世間で流行った『アンチエイジング』という言い方を止め、『サクセスフルエイジング』に変えました。
アンチという、年を重ねる事をマイナスに考えるのを変えたのです。

1998年に50代からの化粧品のCMに表現者としての一皮剥けた新たな山口小夜子さんが、しっかり出演されていて点と線が繋がりました。

一本筋が通った女性、そんな印象を受けました。
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