荒野の狼

祈りのちからの荒野の狼のレビュー・感想・評価

祈りのちから(2015年製作の映画)
4.8
これはまた珍しくアメリカ人にしては「いちおう聖書は読んでいるなあ」と思わせてくれる映画である。連中の考える「信仰」にド直球のお話なので、宗教そのものに疎い日本人では、ドン引きする人がいるはずだが、そうであるならこれは実にもったいない。それは置くとして、私は信者ではないがこの映画、ぜひクリスチャンの方に観ていただきたい。信者である事のモヤモヤが、少しは晴れるはずである。と書くと、部外者がおかしなことを言っているように聞こえるが、実際そうだからこういう映画が出来たんでしょ? 誤解しないでもらいたいが、神が偉大なのではない、人間の良心というものが神秘なんである。人を導くリーダーイエスが、どういう存在としてそこに「在る」のかを、ほとんどのアメリカ人が分かっていないし、聖書だって読んでない。もちろん我々日本人にとっては「天皇陛下」くらいしか頭に浮かばないから、恥ずかしながら、これからも根無草なんだけどね。
全然美男美女じゃないこの夫婦の俳優の凄演技が良い。パワーじゃなくフォースを実感することができる、めっけもんの一作だ。但し、おしまいのシークエンスは、底が浅くなるから要らない、ここで締めくくるならキリスト教もカルトである。
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