pika

私は好奇心の強い女 イエロー篇のpikaのレビュー・感想・評価

2.5
ベルイマンに師事した監督なのか。主演の子が「秋のソナタ」に出演するくらいしか共通点が見渡せないくらい師とはかけ離れた実験的な作風。

裁判沙汰を巻き起こしたりセンセーショナルとなった衝撃的な性描写や、政治に無知な女の子目線で追っていくスウェーデンの社会問題に切り込んだ時事的な重要性、映画文法を崩したドキュメンタリー的な即興演出の作品作りなど、非常に個性的で、映画内映画とドキュメントが境界なく行き来して混ざり合っていて興味深いが、何か受け入れ難い部分がある、と思ったらヌーヴェルバーグ、その中でもゴダールぽいからか。

60年代のポップなファッションや主人公レナの自由なキャラクターは魅力的で、理想を持って前へ進んでいた前半から途端に人間臭くなる後半に向けて魅力が増していくと同時に映画自体もとても面白くなっていくのだが、ドキュメントと映画内映画の突飛なジャンプが集中力を削ぐっつーのか、没入したところで突き放される、おそらくそこが魅力で、この斬新な文法で描かれるセンセーショナルな内容、というのが監督の意図したところなんだろうけど、監督の顔が出てくるたびに何故かめっちゃイライラしてくるし、余りにもドヤ感の強い個性が受け入れ難く、なんつーか、ダラダラ言ったけど端的に言えば難しくてわからなかった。
pika

pika