どりらかと言えば洋画を好んで鑑賞する私ですが、こんな作品をじっくりと鑑賞すると日本人で良かったなと感じてしまいます。
武家社会では家督の相続は長男と決められていた。次男坊以下の子息は他の家系に養子に行くか故郷を離れるしかない。そんな中、家督を相続できず実家に居候をする侍を“部屋住み”と呼んでいた。
そんな立場にいる老齢の侍を仲代達矢さんが演じている。そんな主人公のただ一人の理解者である甥の娘に沸き上がった縁談に絡んで、果し合いをしなければならない状況に・・・
好きな男がいる娘に政略的な縁談が起こる。その縁談を娘が断ると相手は娘の相手の侍に果し合いを挑んでくる。足の不自由な老武士は娘を救うために助太刀を申し出るが・・・
仲代達矢さんの表情が素晴らしい。先日鑑賞した“海辺のリア”と同様に存在だけで絵になる数少ない俳優さんです。愛する娘を見つめる眼と果し合いで相手と相対する目の演技・・・・
95分と丁度良い上映時間で満足させられた良い作品でした。