映画男

pierce ピアス LOVE&HATEの映画男のレビュー・感想・評価

pierce ピアス LOVE&HATE(1997年製作の映画)
3.0
乳首にピアス開ける女とそのグループたちのヘンテコで脱力感のある青春物語。ピアスを開けた乳首が完全に造形で拍子抜けた。低予算か知らないがそこはちゃんとして欲しかった。饅頭の上に乗ったチョコクッキーに穴を開けたようにしか見えない。不思議だが、テレクラで男を釣って殺人を重ねる彼女よりも、徹底的に理不尽な殺戮を繰り返す「女囚さそり」や「修羅雪姫」の梶芽衣子の方がリアリティがある。つまり動機がしっかりしてるから殺戮も腑に落ちるし、キャラクターもコイツなら殺すよなあって感じに作られているから気兼ねなく観れる。この映画の主人公である彼女が行う殺戮はなんだか空っぽで、味気ないし、何してはるんやろこの娘?って感じでこれまた拍子抜けする。これこそ90年代後半の、不況に落ち込み、どんよりした空気が蔓延した世紀末に生きる若者の心象風景をあらわしているのかもしれない。知らんけど。本作の脚本家が「人のセックスを笑うな」を書いているというのが微笑ましい。まったく似た感じの空気感だ。
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