音、映像、演技、スタイリッシュな演出に舌を巻く傑作。オープニングから一気に世界観に引き込む仕掛けがお見事！
主人公ベイビーを演じるのはアンセル・エルゴート。私自身も個人的に注目している若手俳優の一人です。
本作の主人公は幼い頃の事故の後遺症で耳鳴りに悩まされています。こだわりのiPodを相棒に、普段から車の運転まで生活の中で音楽が切り離せません。音楽を聴くことで耳鳴りが遮断されるのです。
本作の素晴らしさは音楽と劇中の映像をリンクさせる演出にあります。音楽のリズムに合わせた銃撃戦が特に見応えがあり、一つ一つの動きもすべてかかっている音楽と重なっています。なんともワクワクする演出です。
また、主人公ベイビーは類い稀なるドライビング能力がウリで、犯罪者の逃走を手助けすることを生業とします。これにも事情があるわけですが。
つまりはもう一つの本作のウリは迫力満点のカーチェイスアクションの数々です。これが前述の音楽とリズミカルに演出されるので観るものを飽きさせません。いや、もう魅了されてしまいます。
ただし、本来の犯罪に手を染めるような性格ではない主人公ベイビー。この彼の性格が物語に深みを持たせ、さらには物語の行方、結末というところにうまく作用します。
エルゴートやケビン・スペイシー、ジェイミー・フォックスをはじめとした俳優陣の演技の素晴らしさはもちろんのこと、ヒロインのリリー・ジェームズが満点（に可愛い）！！！
観て損はない良作でございます。
