やまぐち

バービーのやまぐちのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
4.0
「フェミニズム入門」映画。ものすごくよくできている。今のアメリカでは「そんなん知ってるよ」という批判が起こるのは当たり前だよなという内容だが、日本は全然なので社会科の授業とかで見ればいいんじゃないですかねと思う内容だった。
バービーが人間界に初めて来た時の暴力的な視線がリアルだったな。最低だったな。
男社会に毒されていなければ女の子は好きな色の服を着てバービーで楽しめるのに、という話の作り、あまりにも見事だった。
バービーランドで軽く扱われるケンが人間界へ行って「男というだけで手厚く扱われるんだ!」とはしゃぎ、それをそのまま持ち帰るのはよく分かる。そしてそれが決していいことではなく、己のアイデンティティを見つけなければならない、男たちもしっかりと連帯することができる、と描くのもいいね。「軽く扱ってごめんね」と謝るバービー素敵だ。
ケンの中にも入れないアランはホモソーシャルにも染まらないという描き方も上手い。ラストのオチもいいねぇ。人形と人間の違いはそこだし、だから冒頭で「性器がないよ」とわざわざ言及していたんだろう。(妊娠したのかみたいな受け取り方してる人いるけど、そうじゃない。婦人科は妊娠した人だけが行く場所ではない)
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