ちゃうだぁ

バービーのちゃうだぁのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
3.0
『 人は何にでもなれるしなんでも出来るはずなのに・・・ 』
バービーは何でも出来るし何でもパーフェクトなの!!そう思って遊べてたのは何歳まで?
バービーランドと人間界の行き来が出来ることはさておいて理想と現実をひとつに絞ってないところがこの作品の魅力だと思う。
バービーしかりケンもそうだ。
完璧で自分たちだけで成り立つ女性社会って最高でクールだわというバービー達と男の理想というよりこうあればいいなと思うケンランド。
片っぽだけが善し悪しではなく表裏になってるところが難しい。最後にケンとバービーは自分という存在を否定せず自分は自分なんだと思えることで納得してたけどケンが思ってるものとバービーが思っている事が違うのがやはり人間って1個じゃないんだと思わされる。
親子の存在もなかなか面白い。
世の中での女性の立場、こうあるべきとバービーに強い言葉で説いた娘ちゃんと心のどこかで不満を持っていた母親がバービーランド奪還で仲良くなっていく過程は理解し合い共通問題を解決する事で絆を深め、相容れなかったもしくは一方通行だったふたりが共通問題でひとつになるみたいな関係かなって。
バービーの映画で1番の核だと思う場面はバービーが人間界に来て瞑想し目を開けて右を見た時にいたおばあちゃんに言った「綺麗ね」からの「知ってるわ」のやり取りかな。
理想の姿であるバービーが言わば真反対にいるおばあちゃんを美しいと感じるのは歳を重ねて外見が変わろうと自分を受け入れ生きているという『生』の姿を美しい、羨ましいと感じたのかもしれないし一見、皮肉や嫌味だと思ってしまう「綺麗ね」を「知ってる」と跳ね返し自分に自信を持っているおばあちゃんが最高にかっこいいのだ。
社会風刺のような男尊女卑批判のような女尊男卑のようなあらゆる顔を持っているなかなか社会派な映画でした。

2024#10
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