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バービーのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
3.9
アメリカのマテル社が1959年に発売した着せ替え人形バービーを主人公にしたファンタジー。
監督はグレタ・ガーウィグ。
マーゴット・ロビーが初代のバービーを演じる。
主題歌はビリー・アイリッュのグラミー受賞作「What  Was I Made For?」
原題:Barbie (2023、1時間54分)

ピンクに彩られた夢のような楽園「バービーランド」に住むバービー達とケン達(同じ名前で色んなタイプがいる)。
ある日、初代の典型型バービー(マーゴット・ロビー)は調子がおかしくなる(シャワーを冷たく
感じ、ベタ足=扁平足になり、セルライト=肌荒れがおこる)。
解決するには現実(人間)世界に行くしかないと、へんてこバービー(ケイト・マッキノン)に説得され、バービーは人間世界に旅立つ。
ところが、勝手に付いてきた"ヘタレ"ケン(ライアン・ゴズリング)が"男社会"に目覚め、「バービーランド」を"家長父制"の「Casa house/カサ・ハウス(ケンの道場ハウス)」にしようとする…。

~登場人物~
①バービー
・バービー(マーゴット・ロビー) : 主人公。初代のステレオタイプ(典型型)バービー。陽気な性格だが、ある時死について考えるようになり、完璧な体に変化がおこる。
・変てこバービー(ケイト・マッキノン)
・大統領バービー(イッサ・レイ)
・医者バービー(ハリ・ネフ)
・売れっ子作家バービー(アレクサンドラ・シップ)
・ノーベル物理学賞受賞バービー(エマ・マッキー)
・弁護士バービー(シャロン・ルーニー)
・人魚バービー(デュア・リパ/LiLiCo)
・外交官バービー(ニコラ・コクラン)
・判事バービー(アナ・クルーズ・ケイン)
・記者バービー(リトゥ・アルヤ)
・王女バービー(マリサ・アベーラ)
・ミッジ(エメラルド・フェネル):バービーの友達。

②ケン
・ケン(ライアン・ゴズリング) :「バービー&ケン」とセットで呼ばれるバービーのおまけ的存在。ケンにとってバービーは「永遠に曖昧な彼女」。
・アジア系ケン(シム・リウ):典型バービーにモーションをかけるアジア系のケン。
・アラン(マイケル・セラ): ケンの友達。

③人間
・グロリア(アメリカ・フェレーラ):マテル社のデザイナー。サーシャの母。
・サーシャ(アリアナ・グリーンブラット) :バービーの持ち主。10代の少女。
・マテル社のCEO(ウィル・フェレル):人形世界から脱出したバービーを捕まえようとする。
・ルース・ハンドラー(リー・パールマン):バービーを助ける謎の老女。実は○○

④ナレーター(ヘレン・ミレン)

「俺はケンのままでいいんだ」
"I'm Kenough"

「あなたは何にでもなれる」

「人間として生きるのは大変。人間が男社会やバービーを作るのは、過酷な現実を乗り切るためだ」

冒頭、「2001年宇宙の旅」の人骨を空に放り投げるシーンへのワクワクするオマージュで始まる。
ピンク色を中心としたパステル・カラーの心踊るバービー・ワールド。
チャーミングなマーゴット・ロビー。
おマタが"ツルツル"なバービーの新たな旅立ちとなるラストの見事なオチ。
男であれ女であれ人間は完璧ではないが、完璧でない社会だから、様々な個性に溢れたる魅力的な人間がいる。
過酷な社会だが、排除したり、無理に完璧さを求めることはない。少し前を向いて自分や社会を見つめ直せばよい。そこにありのままの肯定できる自分(ひと、社会)がいる(ある)。
「レディ・バード」に続いてまたもグレタ・ガーウィグの才能に感嘆。世界的大ヒットは当然と納得させられる。
なお、今年のカンヌ国際映画祭の審査委員長はガーウィグですね。
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