Jonayama

ベルセルクル オーディンの狂戦士のJonayamaのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

835年、ヴァイキングがイングランドに上陸して30年以上が経過した頃が舞台の作品。
サクソン人の青年ウェイドを主人公に儀式的な理由からヴァキングの狂戦士(ベルセルクル)たちに"狩られる"立場になってしまった彼らの逃避行を描く。
ちなみにパッケージは例によって詐欺。
なんかフォントがマンガのベルセルク意識してない?w

いわゆる歴史モノではあるがヴァイキングによる人間狩りというちょっと変化球的な映画。
(おそらく)少ない予算と小さめなスケールではあるが色味を抑えた雰囲気ある映像と世界観をうまく表現した衣装や民族楽器を用いたダークなサウンドトラックなどで個人的にはかなり健闘したヴァイキング映画のひとつだと思う。
ベルセルクル達は微妙にリアル寄りな描き方でゲームやマンガ的な派手なアクションや技などはなく不安定な興奮状態になって素手で殴り殺しにくるスタイルなのでやや地味だが実際はこんな感じだったんじゃないだろうか。

吹けば飛ぶような作りの木製の牢屋や殺傷力のある弓ってそんな簡単に作れるんかとか丸太が全然重そうに見えないとか色々とツッコミどころがあるのも事実だが、全体を覆う陰鬱で寒々しい空気感は良かったので満足。

『28日後』の後半のように今まで逃げてきた存在と敢えてダブらせるような手段で反撃する終盤は凄惨で意味深。
怯えていた捕虜たちが"狂戦士"と化して近年のアグレシッブなゾンビの如く大挙してヴァイキングたちに襲いかかるシーンは見ようによってはギャグだが個人的には意表を突かれてこれはこれでアリ。


ストリーミングサービスが充実して小粒だが光るモノがある作品を気軽に観られる時代になって映画好きとしてはありがたい限り!
Jonayama

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