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22年目の記憶のRyuのレビュー・感想・評価

22年目の記憶(2014年製作の映画)
3.6
1972年。南北共同声明により、南北統一ムードが高まる朝鮮半島。韓国中央情報部は首脳会談に備え、秘密裏でオーディションを行う。選ばれたのは売れない役者のキム・ソングン。彼の役は北朝鮮の最高指導者 金日成であった。

1972年と1994年。主に二つのパートから構成される物語。この二つのパートのテンションがちょっと違っていて、その差が若干気になりましたが、おもしろくはありました。
前半はサスペンスフルな展開で、ワクワクが高まります。ダメ役者が演劇科教授と活動家学生と共に猛特訓。この特訓はちょっとコミカルな感じもして観てて楽しかったです。そして、どんどん金日成に飲み込まれていくソングン⋯。
1994年パートになってからは、完全に自分を金日成と思い込んでしまっているソングンと息子のテシクとの親子のドラマへと様変わりします。息子のテシクはマルチ商法をやっていて、借金もしていて、決して順風満帆とは言えません。この2人の親子関係がどうなるのかが後半の主軸になるんですかね。終わり方は、まぁ綺麗な感じなんですが、上手くまとめあげれてはいなかったのかなぁ と思いました。
演者が役に飲み込まれてしまうってのは実際にも有り得る話で、デニーロアプローチも度が過ぎたら、こうなる可能性があるって考えたら、ちょっと怖いですね。「ダークナイト」でのヒース・レジャーも、直接的な死因ではないと思っていますが、命を懸けたって例もありますからね。演技って深いところまでいくと、怖くもあるんだなぁ と実感しました。
主演のソル・ギョングの演技は圧巻だし、おもしろい とも思えたんですが、なんかまとめあげきれてなかった という印象でした。良く言えばジャンルレス、悪く言えばとっちらかったって感じの作品でした。
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