このレビューはネタバレを含みます
「ここにだって、ゲイは生きている」
ーーーーーーーーーー
初の韓国作品鑑賞(だと思う)!
なので、韓国文化に通じてない分、ちょっと読み取れない部分があった気がした。
終わりまで観ればお話自体は比較的単純だったはずなのに、前半90分弱くらいは頭にはてなを3つくらい浮かべながら観ていた感じ。
ーーーーーーーーーー
日本のBL作品は「差別や偏見が少ない/ない社会」が描かれることが多く、それゆえ「見たくないものに蓋をして、(マジョリティ向け)コンテンツとして消費される」みたいな批判を受けることが多い。
(もちろん各作品で当事者が勇気や希望をもらっている例も多くあるだろうし、そもそも差別や偏見を描いている作品もあるが)
そういう観点で見ると、この作品は、(この作品から読み取れるに差別意識が強いのだろう)韓国での実在する差別や偏見に真正面から立ち向かい、「ここにだって、ゲイ(を含むクィア)は生きている」と表明する作品になっていて、それゆえ日本のそれらと比べて評価されているんだと思った。
ーーーーーーーーーー
でもなんかやっぱり前半冗長だった?というかギウンの言動がよく分からず???となっていた。
チャリ戻して2人で昔の思い出の地行ったときが1番わからなかった…友達として行ったのかもしれないが、思わせぶり?
てかなんでチャリ戻したのかあんまり分かってない…これは自分の読み取り不足もしくはちゃんと観てなかっただけかもだが…
あとは、過去ギウンがいじめられた経験がある理由として「家族が捕まったことがある」ことが描かれているけど、「家族や身内が捕まったならば差別されて然るべき」みたいな、他の差別を助長する/している感じない??
実際にギウンは父を完全に恨んでいなかったという点で柔らかくされてるのかもしれない(?)けど、結局当事者の身内(=ギウン)への差別は解消されてないし、ちょっと違和感だったな。
ーーーーーーーーーー
やっぱりカミングアウトの瞬間とか、そのときの優しくあたたかい言葉には涙しちゃうんだなあ〜、とか、ノンケが振り向く瞬間はときめいちゃうよなあ〜、とかもちゃんと思いました。
(でも現実はそうもいかんのよな、まさに「毒薬」みたいなもんなのよな、たぶん)
ーーーーーーーーーー
なにはともあれ、第24回東京国際レズビアン & ゲイ映画祭上映作品、一度観れてよかったです。