映画の味方あっつマン

20センチュリー・ウーマンの映画の味方あっつマンのレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
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1979年のサンタバーバラが舞台。思春期の息子ジェイミーの教育に悩むシングルマザーのドロシアは、ルームシェアで暮らす写真家アビーと、近所に暮らすジェイミーの幼なじみのジュリーに、ジェイミーを助けてやってほしいと頼む——。


15歳の少年ジェイミーにとって、少し年上の幼馴染のジュリーは「性」、同居人のアビーは「音楽・ポップカルチャー」と、それぞれ大きな影響を与えてくれる存在だ。この2つは、思春期の少年の成長に無くてはならない物であり、2人の女性を通して、ジェイミーの思春期ならではの悩みや葛藤が巧みに表現されている。そして、母のドロシアを通して、いわゆる反抗期の少年特有の跳ね返りの自立心を描いている。いや、逆に、ジェイミーを通して、3人の女性たちを描いていると言う方が正しいだろう。

3人の女性は、個性的で魅力的だ。ジュリーを演じているのは、エル・ファニングだが、あんな娘が身近にいたら、15歳の少年はたまったものではないだろう(※とても良い意味で)。

本作では、盗んだバイクで走り出すような大きな出来事は起こらないが、小さな出来事を繰り返し、その積み重ねがいつの間にか大きな流れになっていく。セリフの1つ1つが印象深く、丁寧に作られたストーリーに、ゆっくりと引き込まれていく映画だ。