七

レディ・バードの七のレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.0
この作品の登場人物は皆弱さを抱えています。主人公のクリスティンは思春期特有の「人間としての不完全さ」が顕著であり、しばしば過ちを犯しながらも成長していきます。一方母親も毒親気質のこれまた不完全な人間であり、お互い最後に大切な何かに気づくまでぶつかり合い続けます。ですが憎しみ合っているわけではなく、ふと見せる仲の良さが親子関係の描写にリアルさを持たせていると思いました。

この世に完璧な人間なんていません。自他の弱さを受け入れられない内は衝突し合うものなのだと思います。そして関係を離れてみて初めて「あれは大切な時間だった」と気づけるのかもしれません。
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