みおこし

レディ・バードのみおこしのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.9
『アイ、トーニャ』と同じく母子の物語ですが、こちらは歪んでいない愛情です!(笑)同じく機内にて鑑賞。

『スウィート17モンスター』がハマった方は確実に本作もお好きだと思います!
同じく思春期の女子高生ならではの「こじれ」を描いた青春映画。最近女優としても監督としても大活躍のグレタ・ガーウィグの新作ということで期待大だったのですが、涙なしには見られない傑作でした。
そんなに長尺ではないのですが、友情、恋愛、進路の悩み、そして家族との関係など10代が抱えるあらゆる問題が詰め込まれていて、ユーモアもテンポも最高に調子よく進むので最高でした!

自分のことを「レディ・バード」と呼び、故郷のサクラメントから一刻も早く飛び出したいクリスティーン。誰しも自分の殻から抜け出したくてもがく時期はあるし、隣の芝が青く見えて仕方ないこともあると思いますが、まさにそんな気持ちを代弁してくれる作品でした。しかし、その環境から離れてみて初めて分かることも多々あって。
鬱陶しく思っていたお母さんのこと、完璧だと思っていた彼氏や友達のこと、そして何よりも嫌っていた自分のこと。少しずつ見えてきた本当の「景色」を通して、成長していくレディ・バードに誰しも共感しないわけがありません。個人的にラストのお母さんとのやり取りは涙なしには見られませんでした...!

親友とのおふざけのシーンや、彼氏とのデートの後のシーンなど、笑えるシーンもいっぱい。一つ一つが「インスタ映え」しそうな美しい色彩と情景の連続で、女性監督ならではの感性が垣間見得ました。本当に眼福の90分超。

シアーシャ・ローナンは本当に透き通るような美しさと、等身大の演技が冴え渡る素晴らしい女優さん。今年のオスカーでもあの錚々たるメンバーの中にノミネートされていましたが、まさに若くてありのままの姿が魅力の彼女だからこそできるレディ・バード役だったので、ノミネーションも納得でした。
ティモシー・シャラメとルーカス・ヘッジスの若手男子コンビもそれぞれ癖のある役で、また良かったです。2人とも話題作に連続出演中ですっかり売れっ子ですね!

10代に戻りたくなる映画ナンバーワン。
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