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レディ・バードのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
2.0
No.1201[知らないお姉さんのアルバムを一緒に読んだ感じ] 40点

「フランシス・ハ」で世界的に有名になったニューヨーク・インディーズの女神グレタ・ガーウィグの初監督作であり、「フランシス・ハ」の華麗なオープニングと一本締めに熱狂した私はかなり楽しみにしていた。しかし、肝心なことを忘れていた。私はこの手の私的な映画が苦手であることを。

カリフォルニアの田舎サクラメントで高校生活を送る主人公のクリスティン"レディ・バード"マクファーソンの日常と成長と心配性で束縛気味な母親の話を描いているのだが、なんせ思い出を並べただけだし、ラストも"こうして私は母の愛を理解しました"みたいなエンディングで辟易した。この前散々馬鹿にしたシャオシェンの「童年往事 / 時の流れ」はシャオシェン自身の人生を描きつつ"人間誰でも死んじゃうよね"みたいな無常感があり、普遍性を獲得していたが、本作品はただのガーウィグの思い出を本当に並べただけで深みもないし、そうなんだーって感じ。

女どうしの友情ってこんな流動的なのかと心底驚いた。私は男なので彼女たちの心情を正面から理解するのが不可能なのは分かっていたのだが、ここまで理解できないのも珍しかった。

残念ながら、私は親と仲がいい方だし、大学進学も志望校はほぼ一択だったし、実家暮らしだし、あんまり共感できるポイント自体がなかったのも事実。

本作品はよくある自伝的映画のテンプレ=メインストリームに新しく加わったまでで、何年かあとに2018年って何見た?と訊かれても最後まで思い出せなさそうな作品であった。まぁ世代が近いのと、ガーウィグにはこれからも頑張って欲しいので40点あげる(謎の上から目線)。

追記
最近は"イタイ女子が成長するよ"みたいな映画が流行ってるみたいね。日本で言う壁ドン映画のハリウッド版なのかな。と後から見た母の報告が面白かったので載せておく。(母の評価は2.5くらいらしい)
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