晴海通り

創造と神秘のサグラダ・ファミリアの晴海通りのレビュー・感想・評価

3.8
2013年の夏に初めて訪れたサグラダファミリアの衝撃は忘れられない。漠然と「自分が死ぬまで完成しないらしい」という情報と共に、あのニョキニョキとそびえ立つイメージが浮かんでくるだけだったあの教会が、"本当に存在するんだ"という驚き以上の圧倒で迎えてくれたあの瞬間。感動は鳥肌を通り越してただただ口をあんぐりと開け高い高い光の天井やステンドグラスに見入り、「聖家族教会」という意味を目の当たりにしたあの時間。人生で初めて「感動疲れ」を経験したあの日。クリスチャンでなくても祈りを捧げずにはいられなかったあの空間。なんせ未完成だから何回でも見たくて翌年も行き、なんなら今年も行こうとしてた(諸事情によりキャンセル)。

そんなサグラダファミリアのドキュメンタリー。幸い最近は資金も潤沢で2026年完成予定だそうですが、ここまで漕ぎ着けるのに色々な紆余曲折があったんですね。全然知らなかった。そして「あの部分にはこういう歴史があったのか」と知ることができ…はい、やっぱりまた行きたくなりました(笑)。

ストーリーや構成をカッチリ決めて明確なメッセージを伝えてくる感じではないので、途中ちょっとウトッとしましたが、逆にそれが「神は急いでおられない」というガウディの言葉っぽくてよかったのかなと。BSドキュメンタリーとかでいつかテレビでやるかもしれないけど、作中で繰り返し使われていたモーツァルトの「ミサ曲ロ短調」の荘厳さがぴったりの映像は、ぜひスクリーンで。
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