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創造と神秘のサグラダ・ファミリアの小のレビュー・感想・評価

3.5
1882年に着工されたサクラダ・ファミリアは、1926年にガウディという天才を失い、1936年の内戦時には、残されていたガウディの肉筆のスケッチや図面や、彼が作った大きな模型を失う。また、1960年代に建設続行反対運動が起きるなどして、サクラダ・ファミリアまでの通りのスペースと考えていた場所に住宅が建設されたりもした。

創造は混沌から生まれるのだろうか。現在のサクラダ・ファミリアは、残った多くの人々が、それぞれの考えを投影し、形づくられている。できるだけガウディに近づこうとする者、あえてガウディから離れようとする者。いろいろな考えが混ぜこぜになり、ガウディが見たら「なんだ、こりゃ」と言うかもしれないと。「結果よりも過程が大事」という様々なところで聞く言葉も。

もはやガウディを離れ、一人歩きし始めたサクラダファミリア。混沌から調和へ進み、完璧なものへとなっていくのだろうか。答えはガウディ没後100年にあたる完成予定の2026年に。
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