『神社の怪』
カメラ回しながら急に笑い出す同僚こわい。靴紐結びの反復は「一生靴紐結べん奴」みたいなジャルジャルのコントでありそうで笑ったが、溜めとしては露骨過ぎ。画角がアップになる時点で何となく予想がついてしまう。
『出会い系の女』
出会い系の女とAVディレクターの会話に絶妙なリアリティがあり、あのヤる直前の何とも言えない空気感がすげー巧く描かれてる。兄貴から電話→家にやって来る！...という展開も良い意味で『闇動画』らしからぬスリリングさ。緊急事態なのに平然と風呂に入ろうとする女の異常性も良い。それだけに、臓物とミイラで雑にオチをつけられてしまうのが残念だった。もう少し展開のドライヴ感で引っ張ってくれても良かったのに。ただ、無言で佇む坊主男の威圧感、圧迫感はめちゃくちゃ怖い。あれは本当に兄貴の幽霊なのか？
『窓の人影』
『闇動画』シリーズ名物映像、パワハラディレクターと心霊スポットで地獄巡りの巻。助手がポンコツだけど怒鳴られまくっててかわいそう。壁の黒ずんだシミは完全に黒沢清的なアレ。助手とディレクターたちの間に空間的な距離を作ることで緊張感を生んでるのが良い。「後ろ！」と助手の絶叫からの怒涛のような盛り上がり。幽霊に出会った瞬間、女性を放置して真っ先に逃げ出すクズディレクターの鑑。態度デカかったくせにめっちゃ女々しく狼狽してて笑える。シャッターの光で幽霊の存在を確認する演出がカッコいい。誰かが別の作品でもやってたような。
絶賛話題中の『ミンナのウタ』があんまり面白く無くて、お口直しに『闇動画』見たら全然こっちの方が怖かった。Jホラーの未来はもしかすれば心霊ドキュメンタリーの方にあるのかもしれない。
