自分にとって、ザ・ビートルズは現代最高の音楽ユニットだが、最強のロックバンドは誰か、と聞かれた2つのバンド名を挙げている。
一つは、今もまだ現役で活動し、名だたるミュージシャンを数多く輩出した学校のようでもあり、また音楽スタイルもメンバーによって大きく変遷してきたカテゴライズ不可能な不世出のバンド、キング・クリムゾン。
そしてもう一つが、キング・クリムゾンとは全く異質な、ロックといえば、このバンドしかない、ザ・ローリング・ストーンズだ。この2つのバンドは、過去45年近くずっと聴き続け、来日公演があれば必ず駆けつけてきたバンドだ。
ザ・ローリング・ストーンズの創設期からのメンバーであり、ミック・ジャガーと並ぶ、いや時には凌ぐ人気者のギタリスト、キース・リチャーズのドキュメンタリーには、もう感無量。モーツァルトやベートーベンにも敬意を払い、サラ・ヴォーンやエラ・フィッツジェラルドも愛し、さらりとジャズギタリストのジム・ホールの一節を弾いてみせたりもする。
自伝を読んだ時は、この人の身体はドラッグとジャック・ダニエルで出来ているんだと思ったが、これを観てキースは音楽に対して非常に真摯で色眼鏡で観ないのだなあということを痛感した。流石、宇宙最強のロックバンドのギタリスト、引き出しの質と量が桁違い!!
開明獣、既存宗教の神様はかけらも信じてないが、八百万の神々の中に、ロックの神様はいて、その1人がキース・リチャーズなんだと信じているのである。
ストーンズ好きにしか刺さらないけど、年輪を重ねてきた男の渋みを味わいたいなら、これに勝る作品はなし!!