みちろう

メッセージのみちろうのレビュー・感想・評価

メッセージ(2016年製作の映画)
4.6
突如宇宙船で飛来してきた宇宙人と接触を試みるために召集された主人公は天才科学者でも退役した伝説の軍人でもなくまさかの言語学者。

ジェームズキャメロン、ノーラン並みにビッグな映画を作るのが上手いドゥニヴィルヌーヴ監督による圧倒的で壮大なクオリティの内容に前半は完全に時間を忘れて映画に引き込まれていって後半には予想外のハートフルな展開に感動。

宇宙人の造形・文化・生態等のイメージや敵対したり絶望して集団自殺をする人類の様々なリアクションなどのsf映画のwhat if な部分は現実味あるものになっていて数多く作られてきた未知との遭遇系の映画が時代が進みアップデートされてきてることを感じる。

このスケールでこのジャンル、普通なら先制攻撃をされてインディペンデンスデイみたく全面戦争モードにシフトしてもおかしく無いのに今作は真逆で対話に応じる宇宙人が人類に力を貸す。ドンパチ少なめヒューマンドラマメインなこの映画では次第に今の世界情勢と重なる色々なすれ違いで争いが巻き起こっていく様子を見ることになり、映画としては王道な流れなのに複雑な気持ちになる。

この頃今世界で起きてる争いが消えてほしいと本気で思うようになってるせいかフィクションの力を借りて誰もが理想としてる方法で解決にもっていく結末はすごい胸に響く。そんな簡単に一つにはならない現実の世界に対してちょっと希望を見出させてくれる、自分が勇気づけられるよりかは皆んなで平和な世界を作っていきたいなと呼びかけたくなる終わり方だった。

色んな意味でもっとこんな身を委ねられる映画がみたい。
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