このレビューはネタバレを含みます
名前を呼び慈しむ冒頭から、兄弟の羊への愛がひしひしと伝わります。可愛くて堪らないという感じ。
毎年恒例っぽい羊の品評会が長閑過ぎて羨ましかった。私もその羊コミュニティに混ぜておくれ・・・!と強く思いました。
しかし伝染病スクレイピーが発覚してからが悲惨。愛する羊を手にかけて咽び泣く場面が辛いです。
路傍で倒れていた兄を風呂にぶち込んだり、ショベルカーでぞんざいに病院に運んだりとアグレッシブ救命に笑いました。
確執はありながらも自分名義で土地を貸し続けたりとグミーとキディーの絆は絶えてなかったんですね。
地下に匿っていた羊達を雪山に逃がそうと久方ぶりに兄弟で協力する熱い展開から、あんな無情な結末ってあるんですね。吹雪で犬や羊達を見失い、意識を失ったグミーをかき抱くラストは呆然としました。2人共助からなかったんじゃないかな。おそらく羊たちも・・・。
世界の片隅で起こった悲劇を目の当たりにしたようで悲痛な余韻が残りました。