1930年代からハリウッドで活躍したスター女優の1人イングリッド・バーグマンの子供たちによって制作されたドキュメンタリー。
ガルボといい、スウェーデン出身の女優さんは自然美っぽい魅力がある。
家族たちの持つ貴重な映像や資料を余すとこなく観れるのがこの作品の見どころ。
演技することが生きがい、生きる行為そのものだったと語られるバーグマン。でもロッセリーニとの不倫スキャンダルで、50年代中盤まではイタリア映画などハリウッド作品に出演しなかったところも彼女の経歴においてなるほど、と納得。
バーグマン、『カサブランカ』のイメージが強くて、確かにその後って同じくらい有名な作品出てたっけ?って感じだったし、逆にバーグマンがハリウッド外に向かったことでグレース・ケリーの位置が定まった気がする。ポストバーグマン、まではいかないけど、知的なブロンド像は踏襲してるのかな。
あとはバーグマンって考え方が21世紀の女性なんだなって思った。
”不倫問題も、プライベートはあくまで個人の問題であって、バッシングするなら仕事である演技について言え”、みたいなスタンスがあって、だからハリウッドに潰されたとかってよりは選択する意志を持った芯が定まってる人なんだな、と。
自己が定まってる人間は強い、根本的だけど、今現代に生きる私たちが彷徨いがちな個の行方を考えさせられる女性でした。