姉と二人で暮すアリスのところに懐中時計を持った白うさぎが現れた。
「アリスの住んでいるこの世界は現実ではなく、やがて闇の力によって世界の終わりが訪れる。物語の世界を救わなければならない、だから出発しよう」。
戸惑うアリスだったが、やがて冒険の旅が始まる…。
ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』をモチーフに、人形作家・清水真理の球体関節人形を使ったダークファンタジー。
人形作家の人形を動かして、『不思議の国のアリス』を物語るという感じですかね。
お人形は、可愛いというより美しい感じだった。
フィギュアっぽいものではなくて、アンティーク寄り(フランス人形とか)のものなので、人によっては怖くみえるけど。
赤と白の女王や動物達が可愛かった。
青いリボンやドレスで、ディズニーのアリスを思いだしたが、ディズニー版には確か出て来ない白い騎士が出て来たのも良かった。
だが、この『不思議の国のアリス』の世界は、原作に沿った内容ではなく、闇だったかいう悪党が不思議の国をめちゃくちゃにするので、アリスが女王に即位して、その悪党と戦うという展開になっている。
クライマックスのアリスvs闇は何故か魔法少女モノになっていて思わず笑ってしまいました。
だけどお人形や音楽が素敵なだけに、それをうまく生かせていないところが惜しい感じがしました。
物語も全体的にチープな感じで…。
あとストップモーション・アニメにしてほしかったかな。
とはいえ、人形を使ったアニメーションとして一つの挑戦がなされた映画だと思うので、その点で評価してもいいかなと思います。
清水真理さんのファンなら一度はご覧になってもいいと思いますが、映画作品としてはあんまり期待せずに観た方がいいです。