いずぼぺ

砂の城のいずぼぺのレビュー・感想・評価

砂の城(2017年製作の映画)
3.5
歩兵隊日和だ

学費のために陸軍に入隊したものの、アドレナリンと軍隊モードでテンション高めの隊に馴染めないオークル。しかも治安が不安定な地域での住民と協同しての給水施設復旧作業を命ぜられる。
彼には正義も隊の結束もない。帰りたくなるほど愛国心も郷土愛も家族愛もない。
生きる意義も見いだせないが、死にたくもない。彼という存在を構成する要素はバラバラで、まとまりがない。こんな役をやらせたら、ニコラス・ホルトは上手い。
彼らが派遣されたバクダッド近郊の町は給水がなく人も土地もカラカラに渇いている。
人の心もカラカラに渇いている。住民同士が考え方の違いや価値観の違いでバラバラだ。
さながら、砂粒のように。水分のない砂粒のように。
バラバラの彼がみたバラバラの町。
砂の町の砂の城。
砂の町の水分を全て吸い上げるようなイラクの青い空。
オークルの汗と涙を吸い込んだ砂からも容赦なく水分を吸い上げる。
そんなイラクの青い空。

歩兵隊日和だ

ヘンリー・カヴィルがどこ?と思うくらいいつものヘンリーと違うビジュアルでびっくり。
りっぱなお腹のトミー・フラナガンがカワイイ。
95-12