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封印された部屋のameriaのレビュー・感想・評価

封印された部屋(1909年製作の映画)
5.0
妻の逢引きを目撃してしまった王は気づかれぬよう入口をレンガでかため閉じ込めてしまう。文字通り封印されてしまった部屋では先ほどまで愛しあっていた二人がいがみ合い、それを外で聞いている王が満足気にレンガをたたきながら大笑い。たった11分ながら狂気じみた残酷な童話みたい…wikiでは「ホラー」の括りになってました。幽霊とか出てくるわけではないけど、うん、確かに怖いもの…

王様の眉毛がだいぶきもちわるいのと背がヒョロっとしてるのもあって(想像してた王様像とちがった…)表情や動作により狂気性が満ちてた。間男が王妃と王様がいい雰囲気なのを快くおもってない心情を楽器を弾く速度で表してたのも笑っちゃった。二人の大胆で秘密なやりとりもいい。いい顔するんだわ、この間男。

サイコパスな王様っていわれてるけど皆さまもれなく感情を産道に置いてくるのか、貴族の人って心しんでる人多いよね。宮廷に仕えてる自分よりぜんっっぜん下層の人間に手つけられたらプライドが許さないレベルじゃないだろうしまだこれはマシな気がするけど狂気。青ひげ誕生の瞬間でも見てるのかと思った。


一世紀前の作品をこうして観れるのはすばらしいことですね。それと同時にどんなに時が流れていようとも、人の憐れさには変化はないのですね。大好きでした。
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