シンタロー

愛欲のシンタローのレビュー・感想・評価

愛欲(1966年製作の映画)
3.0
佐藤純彌監督による愛憎メロドラマ。大手食品メーカーのやり手サラリーマン・江崎哲也には、銀座クラブのママ・奈津子という4年付き合っている彼女がいる。大阪の仕事先、ある事故がきっかけで、京都で旅館を営む清水由喜と知り合う。由喜は学者の夫と死別した未亡人。過労で倒れた哲也を看病する内、仕事熱心な哲也に亡き夫を思い出す由喜。互いに強く惹かれ合い、一夜を共にしてしまう。その事が忘れられない由喜は、東京まで哲也に会いに行くのだが…。
三國連太郎をめぐって2大女優のバトル、ってのを期待したら拍子抜け。佐久間良子演じる由喜が、ひたすら最低のクズ女過ぎてビックリ。逆に三田佳子演じる奈津子は、健気ないい女過ぎてバトルにもならない。そんな事もわからずに由喜にたぶらかされ、翻弄される哲也にイライラし続ける作品。タイトルの"愛欲"は、まさに由喜という女の性。研究熱心な夫の邪魔ばかりして、駄目にしてしまった過去があるというのに、同じ事を繰り返してしまうサゲマン。結婚を知ってわざわざ略奪に来るなんて最悪。最後まで身勝手で独り善がりでウンザリしてしまう。
Wヒロインの佐久間良子と三田佳子。この時点では佐久間が格上なのによくこっちの役引き受けたね。偽物臭い京都弁が鬱陶しい。美しくて色香漂うんだけどね〜不幸ぶって男に媚びる感じが何とも粘着質…絶対女に嫌われるね。三田はどんなに酷い仕打ちを受けても、男を救おうとする女を好演。スレンダーでクレバーなイイ女なのに、最後まで都合のいい女扱いがあまりにも不憫。三國はこんな役でも、抜かりない役作り。男前なんだけど、しっかり気待ち悪いのが流石。佐久間の指舐めて糸引くキスなんかヤバ過ぎ。丹波哲郎が三國の先輩役でいい味出してるけど、お節介過ぎてイラッとくる。結局三田以外、全く共感も同情も出来ずに終わってしまいました。
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