千年女優

少女の千年女優のレビュー・感想・評価

少女(2016年製作の映画)
2.5
お嬢様学校に通う友人同士で、元剣道部エースながら大会で怪我をして以来周囲の冷たい視線に悩む敦子と、躾の厳しい祖母を持ち敦子をモデルにした小説を国語教師に盗用された由紀。転校生の紫織から友達の自殺を見たと聞いて死に興味を持つ二人が、各々に死を目撃しようと施設でバイトを初めた事で起こる事件を描くミステリ映画です。

「イヤミスの女王」として読者の期待に応え続ける人気作家の湊かなえがデビュー作『告白』の次に発表した書下ろし作品を、NHKでドキュメンタリーを手掛けたあとに退局して映画監督に転身した三島有紀子が映画化した作品で、人気作原作の上に本田翼と山本美月という共にモデル出身の人気女優登用で期待されるも動員は伸び悩みました。

おそらく世界の「闇が深い」と言われる物語の中で最も浅いお話で、『告白』も第一編『聖職者』後は蛇足に感じましたが、本作は全編がその蛇足程度の少女の火遊びに終始します。その題材をなんとかアート風に仕上げようと演出していますが、主演二人も女子高生役にはミスキャストで、ツイストの連続もご都合主義的で興醒めな一作です。
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