at TNLF2016。

最初に中身が出切ってしまったので、このまま尺を持たせるのかと思いきや、登場人物の揺らぎから始まる疑念が他の家族にも波紋を巻き起こしていく展開。

エスターの、そして家族の決断は正しかったのか？疑念から広がってしまう様々な思惑はどこまで不信感を抱かせるのか？母の意思とは真逆の方向に結果がブレていくのも、ひとえに母への想いなれど、情の厚さだけが正義ではない難しさ。

結果は1つしかない、しかしながらそれが正解だったと言える者は1人もいないストーリー仕立てが見事。

ビレ・アウグスト監督作でなかなか良い映画なのに日本ではノーザンライツで上映されたきり。

病を患う妻と医師の夫。妻は苦しまずに逝きたいと尊厳死を決意し、最後の家族団らんをする。

デンマークは尊厳死は認められてないんだね。それでもこの決意をし、その意思を受け入れた夫が医者であることで、観ているほうは複雑な気持ちに。

尊厳死の是非を問うものではなかった。最後の日を過ごす家族の姿が描かれているのだけど、やはり受け入れているようでもいざとなったら止めたくなるもんだよね。

この期に及んでちょっとした揉め事があったり、思わぬ秘密が明らかになったりと、ちょくちょく事は起こるが、静かに家族の姿を見守ってる映画だった。

こういうの観ると、いくら決意はしても、支えたり大切にしたりする家族や周りの人が多いほど死は難しくなるものだなぁと思うし、大切な人がその選択をしたときに自分はどうするかな？と考えたりもしちゃう。

• #安楽死尊厳死関連映画_みむさん

シリアスなドラマ。尊厳死のテーマであるけれど、家族の不和も合わせつつ死自体への反論って形でなかったのが静かな物語に思えた理由かな。あとはドラッグに対してプラスの意識も。北欧の風景と気象条件はこういう時にただ映像として強いアドバンテージを持つなぁ。