あおき

ウィッチのあおきのネタバレレビュー・内容・結末

ウィッチ(2015年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

新作「ノースマン 導かれし復讐者」が公開中のロバート・エガース監督最新作。

100分しないで魔術と不和のおどろおどろしい光景が観れて嬉しかった〜!タイパが良いのでこの点数。「ミッドサマー」とはまた違うけど、雰囲気が近い作品を観たいなって欲望が満たされるかも。

キリスト教色が強すぎるし難解なので評価が割れそうだが、七つの大罪、原罪、魔女狩りとかの概念を雰囲気だけでも知ってればわりと楽しめはするかと思う。



舞台は17世紀。冒頭からなんか民事裁判みたいので宗教的に揉めてる一家。悪行でも働いたんか?とすら思わされる見た目をしているが、むしろ主人公一家がはちゃ敬虔な宗派(ピューリタン)らしく、移住先のカトリック等と揉めてたんだそうな。

めちゃくちゃヘヴィーな内容の祈りの言葉も頻出する。怖〜〜ってなるけど、あくまでそういう宗派らしい。人は原罪を持って生まれ、神が運命を予定していると考え、自身が救われる魂なのか、畏れながら祈る。

そんなわけで「敬虔な家族が厳しい生活をしてるがそれも試練と捉えている」という前提で観るとよい。



役者人みんなの演技力がかなり素晴らしい、とくにケイレブ!!

彼が錯乱の末、口から腐乱したリンゴを吐き落すシーンがめっちゃ印象に残っている。
そのリンゴは魔女の呪物だったのだろうが…「リンゴを取りに行った」という嘘が真実となったことで、彼は虚偽の罪を取り消すことができたのか?原罪(禁断の果実)をその身から取り除くことができたのか?
魔女の噂は、呪いと救いの境界が曖昧になってしまうことで生まれてしまうのでは…などと考えさせられるワンシーンだった。シンプルに迫力も凄い。



シンプルにフィクションとして観てもいいけど、ラストの「本作はほとんど過去の資料を参考にしています」みたいなテロップが出てきた瞬間、伝記ホラーに変容するのが凄まじく怖かった。
あおき

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