ジャンキーの意見

ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘いのジャンキーの意見のレビュー・感想・評価

3.0
ドキュメンタリーとしてはある闘争の一局面の記録にすぎない。叙情的な音楽が民衆への共感を煽る。ウクライナから遠く離れた我々にとって、この歴史の一局面がどう現在に繋がっているのかを確認し考えなければならないはずだが、ネトフリで今これが盛んに見られているという現象が、単に被害国としてのウクライナ(の民衆)への共感としてしか作用しないとするなら、それはプロパガンダでしかないともとれる。
どちらかに肩入れするのは戦争への姿勢のひとつでもあろうが、本当のところは戦争そのものをこそ糾弾しなければならないし、そのために有効に作用するのは、このようなロマンティックなドキュメンタリーではない、とは少なくとも思う。だからといってこの記録に価値がないわけではなくて、なにがしかの判断や議論の材料として「騙されずに」このような映画の演出を「読解」することも必要だ。