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レッキング・クルー 伝説のミュージシャンたちのundoのレビュー・感想・評価

3.5
腕一本で、生きていく。

60〜70年代に活躍したスタジオミュージシャン集団、レッキング・クルーの当時の活躍を紹介する音楽ドキュメンタリー。

監督はグループのギタリスト、トニー・テデスコの息子、デニー・テデスコ。

ミュージシャンの子供が監督というパターンは
「アルゲリッチ 私こそ、音楽!」(←ひどい邦題)と同じだけど、あっちは超ビッグネームで、子供が親の知名度を利用している感があるのに対して、本作は裏方のセッション・ミュージシャン集団が主役。
歴史の表舞台に立たなかった親とその仲間たちのことをもっと知ってもらいたい、という意思が感じられる。

当時は、ロックが生まれて間もない時期。
ヒット曲や人気グループが次から次へと登場していた時代。
あの曲もこの曲も、実は同じ人たちがレコーディングしていたというお話。

具体的に言うと、メンバーの参加不参加はあるものの、「グッド・ヴァイヴレーション」も、「夢のカリフォルニア」も、「ビー・マイ・ベイビー」も「明日に架ける橋」も「ピンクパンサーのテーマ」も、他にもたくさんたくさん、この人たちの誰かが加わってレコーディングしていたということ。

ソロ歌手とかならわかるけど、ビーチ・ボーイズやモンキーズなどバンド形態のグループでも、レコーディングでは、彼らが演奏していた、なんてことが多々あったとのこと。

本作は、当時のメンバー達の貴重な昔話がたくさん聞ける。中には楽器を弾く人も。ドラム叩けるじいちゃんのカッコよさ。レオン・ラッセルの変貌ぶりにびっくり。
ブライアン・ウィルソンもけっこう出るよ。

オープニングからエンドロールまで流れる曲の多さ!これらすべてに彼らが関わっていることの凄さ。難しいことは抜きにして心地よいヒット曲に身をまかせるのがおすすめ。

別に暴露ものとかではなく、こんなプロ集団がいたんだぜ、ということを驚きつつもユルく楽しむ、ビールとか飲みながら観たいような作品。
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