荒野の狼

マニー/マニー・パッキャオの荒野の狼のレビュー・感想・評価

4.0
フィリピン出身のボクサーであるマニー・パッキャオのドキュメンタリー。2012年12月のマルケスとの第4戦でKO負けするまでを描く。パッキャオのファンならば、既に知られた話や試合の動画が多いが、生まれた時は、フィリンピンが内戦であったことや、極めて貧しい少年時代や当時住んでいた地域の映像、プロに転向してからの若い無名時代の試合の映像などは貴重。ボクシングの名勝負のKOシーンなどは多く収録されているが、対戦相手の説明などは殆どなく、体重を上げていった過程の説明などもないので、ボクサーとしてのパッキャオの戦績をたどるという目的には適していない。
本作では、パッキャオの取り巻きのビジネスでの影の部分(パッキャオを搾取しようとする)や、ギャンブルや女性問題などの私生活の乱れ、議員活動、B級の俳優・歌手活動も紹介されているので、人間パッキャオの理解にはよい。
パッキャオは、フィリピンに祖国の誇りをもたらしたとし、概ね、本作品はパッキャオには好意的な描きかたで「これからも、どんな場所でも、ファイターとして闘っていく」と言ったボクシングを超えたメッセージは、ボクシングファン以外にも薦められる。
本作のジャケットは凶暴な人相のパッキャオであるが、このような表情はパッキャオとは無縁であるので、ジャケットのデザインはいただけない。テーマ曲は、Face your destinyで、ロッキー3のアイ・オブ・ザ・タイガーに似た曲で本作に相応しい。以下はその歌詞で、内容もいい。

hey hey hey
we gotta face our destiny
and everything that we believe
this is it
I’ve been waiting so long, waiting so long all the nights
I’ve been working till dawn, working till dawn
just to find that I belong to not live forever
I know my Creator will answer
I was born to live through all the pain
荒野の狼

荒野の狼