爆裂BOX

THEM ゼムの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

THEM ゼム(2008年製作の映画)
3.4
南海の楽園、バン・タオ島で殺人蟻の大群が発生。アリ駆除の専門会社の社長であるレンは、軍と協力して退治に乗り出すが、対策を立てるうちにその蟻たちが異常なまでに組織化されて高い知能を持っていることに気付く…というストーリー。
ワニ映画「ラプター」と同じく、タイの会社とRHIエンタテイメントが製作した、突如として高い知能を備えた殺人蟻と人類の戦いを描いたSF生物パニック映画です。
かつてのパートナーでもあった昆虫学者クレアと共に蟻の駆除に挑むレンは無数の蟻が集まって触手の様な形状になって動いたり、幾何学模様を描く姿を見て、蟻たちが高い知能を持っているのではないかと疑いを抱き、コンタクトを試みると「島を渡せ」と要求してくる、という内容です。
高い知能を備えた蟻が人類に襲い掛かるという「巨大蟻の帝国」や「フェイズⅣ/戦慄!昆虫パニック」等がありますが、今作の殺人蟻たちも負けてはいませんね。群れで集まって触手の形態とってその触手を人間に伸ばして絡めとったり、人間の上に枝落として身動き取れなくさせたり、人間の耳から中入って操ろうとしたり幾何学模様描いて人間とコンタクトとろうとします。集まってマトリックス化してコンピュータのようなシステム構築したりします。目的が島の領有権を渡せという割とこじんまりしたものなのは面白いですね(笑)主人公のレンとイラスト描きながらコンタクトとるシーンも面白かったです。また、蟻の大群に襲われた人間が白骨化したり、天井から降ってきた大量の蟻に全身覆いつくされたりといった描写も昆虫パニック的に見所と言えますね。冒頭の赤ちゃんが全身に群がられて、涙流す目のアップに蟻が現れて泣き声が響き渡るシーンはいきなり鬼畜過ぎてビックリしました。蟻たちのCGはアニメチックですが、これだけ大量に出てきたら気持ち悪さありますね。
対するレン達人間チームも、殺虫剤レーザーみたいに放つスプレー銃や蟻の侵入防ぐ電磁バリア等SFチックな武器使って戦う所楽しかったですね。あの銃一回撃ってみたい(笑)
蟻に体内に侵入されたビルはドンドン様子がおかしくなっていくけど、もっと仲間に襲い掛かったりするかと思いきや、そんな事もなく、むしろ最後はこの人のおかげで解決したようなものだな。蟻が耳から出た瞬間死んだと思ってたのが生き返るのはちょっと笑った(笑)ヒロインやモニター係の女性可愛かったですね。
蟻が高い知能を身に着けた原因は一体何なのか…?という謎解き要素も少しありますが、冒頭で完全にネタバレしてます。
最後の展開はアッサリしすぎてて肩透かしでした。あの飛んで行ったやつはどこ行ったのか?地球に来てこの島に永住しようとしたのかな。何故蟻を使ったんだろう?
お話はテンポよく進むし、蟻のパニック描写やSF的なギミックなどそこそこ楽しめる作品でした。