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MI5:世界を敵にしたスパイのMrsフロイのレビュー・感想・評価

MI5:世界を敵にしたスパイ(2014年製作の映画)
2.8
BBCとユニバーサルが制作し英国では「ウオリッカー三部作」とされたテレビムービーの第3作。
ビル・ナイが老練の諜報員を演じる「MI5:消された機密ファイル」「MI5:灼熱のコンスパイラシー」に続く最終編。

英国政府の機密情報を握ったMI5諜報員のビル・ナイは、英国首相、MI5本部そしてCIAにまで追われる日々となり世界各地を元カノのヘレナ・ボナム・カーターと逃避行を続ける。

今回の最終編では、英国本国でこの機密情報を公けに為るべく二人は密かに帰国する。

今までどんな危機に遭遇しても冷静で軽やかに見えていたビル・ナイが、珍しく激昂するのが娘の妊娠と出産。仕事一途の父と孤独を抱えた娘の溝は深い。

最終局面では英国首相とMI5幹部、次の政権を狙う女性副首相の思惑が入り乱れ、職務に忠実な「国家公務員」のビル・ナイでさえ組織の中に取り込まれる、苦く現実的な展開に唸った。

決して表に出る事のない、ましてや我々のような市井の人間にはうかがい知る亊の叶わない密やかなスパイ活動としては、リアリティのある最終回となった。
「ブリッジ・オブ・スパイ」とは違う苦渋の決断に漂う大人の色香を感じる元カノとの別れの会話を愉しみながら、タイトルロールを眺めたい。

ビル・ナイ「仕事は好きだろう?」
ヘレナ・ボナム・カーター「ええ、大好きよ、貴方の次に…」
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