『顔のない眼』以外のジョルジュ・フランジュってどうなのか、見る術がなかなかなかったわけで、かなり期待して見に行ったけだけに、これはちょっとつらい……
ファントマを(当時の)現代でやるってことで、出してきたものが“オフビートコメディ”っていうのはあまりにも……
まあオフビートとしては、あの老夫婦の旦那が、近所の家から煙が出ててやばい、ということで、「よし、すぐに見てくる!」ってめっちゃノロノロ駆けつける、っていうくだりとかは面白くはあるんだけど……
ファントマが車を爆破するのとかも、よし爆破しようって言うセリフを言わせてから爆破ボタンを押す→車のが爆発するショット、という繋ぎでなんとも段取りっぽい……余計なセリフで随所でサスペンスを削いでいるけど、なんかわざとやってる気もする。が、じゃあサスペンスじゃなくて代わりに何を見せるの、っていうと別に何かあるわけでもないという……
仮面への拘りはフェティッシュなんだろうし、顔をマスクで固めたゾンビ軍団が迫ってくるところとかは流石にちょっと面白い。その前の“より固いもので殴った方が勝ち”、みたいなアクションシーンも雑すぎて良いんだけど、そこだけだし……なんかもうちょっと面白くしてもらわないと困る。