たむランボー怒りの脱出

サロメの娘のたむランボー怒りの脱出のレビュー・感想・評価

サロメの娘(2015年製作の映画)
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『サロメの娘 アナザサイド (in progress)』のバージョンで。

細馬宏通と七里圭のトーク付きで観たけど、細馬さんの語り口が変態的で面白かった。
映画自体は、最初のうちは青柳いづみの魅力的な声の力で何とか集中してたけど、途中からまどろみつつあった。

映像から声だけが浮き上がって聞こえてくるのは、環境音のノイズを極力滑らかにしているからとのこと。
場面が転換するごとに変化する「シャー」というノイズ音が、なるべく滑らか且つ緩やかに変化するよう調節することで、個々のサウンドトラック自体が一つの音楽として聞こえてくる。
だから、声がまるで音楽のように浮かび上がる。

『君の名は。』に代表される、映像と音の「過剰なシンクロ」へのアンチテーゼとして、この映画の「過剰なシンクロしなさ加減」が。