片腕マシンボーイ

ラブレターの片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

ラブレター(2015年製作の映画)
4.5
好きな娘をカメラで撮りに行かなきゃ僕は僕でなくなってしまう…
井口昇監督の原点であるセルフドキュメンタリー「わびしゃび」を大胆にセルフリメイクした「ラブレター」
ようやく観れたよ!散々待ち膨らみすぎた期待を見事に受けとめてくれました
やっぱり井口監督は天才と再認識

デブで映画オタクだった高校時代
何も伝えられないうちに事故で死んでしまった好きな子の思い出
大人になった彼の思いが彼女の運命を変えようと便器の波に飲み込まれていく
初恋の運命を僕が書き変えてやる!

もうな観たくて観たくて仕方なかった本作
だって…こちら側界最高のイケメン斎藤工が
こちら側界最高の映画監督井口昇の青春時代を演じてるんですよ!
最高のこちら側映画やないすか!
映画秘宝のインタビューで本作について語っていたたっくん
「クリエイターの方に自分の為に役を書いて頂いたなら断るという選択はない
自分にない発想に恥を書きながらも自分を拡張していくのが俳優という職種の肝だと
しかも井口監督からの話」
認め合う2人のこちら側の才能が互いに刺激し合いながら爆発した本作は紛れも無いこちら側の傑作でありました!
そもそもたっくん「わびしゃび」ほど美しいラブストーリーは他に無いと明言してるくらいやから尚更力はいってたと思うわぁ

爽やかイケメンたっくんが今回演じるのは少年井口監督がモデルというだけあってなかなかのヤバい空気をはらんでおります、顔はいつものたっくんなのに放つ空気はイケメンとはかけ離れております、ほんとたっくんこういうコミカルでアホで可愛らしいんうまいよなぁ
しかも聞いてくださる?チョイ役で津田さんと亜紗美姉さんまで出てる…好きが過ぎて鼻血でるか思ったわ
ただヒロインの子がなティーン誌でモデルしてます、みたいな感じの子で井口作品の中では異質すぎてちょい違和感あった、まぁ可愛かったから良しとしませう
あれやなたっくんは表でも人気俳優やからすんなり認められたけど、ヒロインは企画側からのゴリ押しパターンやな

そんなイケメンじゃないふとっちょたっくんが過去を変え今を変えるため巻き起こす騒動とは?
てっきり「わびしゃび」を基に「キネマ純情」や「スレイブメン」のドタバタパート的な作風になるかと思っていたが、その要素はもちろん、さらに「片腕マシンガール」の改造少女や「ゾンビアス」の便器的な要素、そしてまさかの「富江 アンリミテッド」セルフパクりシーンまで!まさに井口映画のいいとこ取りのような作品でした

また、あの繊細で切なく美しいラブストーリーをここまでエンターテイメントに昇華さすとわ!と「わびしゃび」も観ているとさらなる驚きもありますね
本作に感動した方には是非「わびしゃび」を観ていただきたいし、逆もまた然り
泣けて笑える純愛映画とはこういう作品のこと言うんだよなぁ、しょうもない少女漫画原作のラブコメ観てる場合じゃねぇな
「暗黒女子」を抜いて本作、現時点で2017年公開作のベストだ!

ちなみに本作は「ブルーハーツが聴こえる」というショートオムニバスの一編でしてね、マヂ糞みたいな作品からなかなか愉快な良作まで6本の短編で構成されている中でなんの贔屓目もなくダントツで面白かったです
清水崇監督の作品も良かったけど詳しくはそのうち「ブルーハーツが聴こえる」のレビューアップします
しかし観た作品の数にレビューが追いつかなくて、レビューしきれてない作品がダブついてきててツライ…